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亜鉛めっきクロメートについて

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品物の多くは用途に応じて表面処理がされています。美観をあたえたり、防錆、摩擦を強くするなどの寄与目的で表面処理が施されます。この記事では、亜鉛めっきクロメートについてまとめます。電気メッキされた亜鉛は、スチール、鋳鉄、可鍛鉄、銅、真鍮を腐食から保護します。亜鉛は部品表面と化学的に結合し、「犠牲皮膜」として機能します。基材よりも先に腐食しますが、その過程で部品の寿命を大幅に延ばします。

 

亜鉛めっきクロメート処理の目的

亜鉛めっきクロメート処理の主な特徴は以下になります。

  1. 亜鉛めっきの白錆の発生を防ぐ
  2. 亜鉛めっきの赤錆発生までの時間をのばす
  3. 指紋など、汚れをつきにくくする
  4. 塗装の密着性をよくする。(塗装の下地の場合)
  5. 外観をよくする(色付け:黒、グリーン、白、黄など)
  6. 低コストである

 

3価クロメート白 

クロメートとは?

 クロメートとは、亜鉛めっきや亜鉛合金めっきを保護するため、これらの表面に施される化成処理になります。クロム酸塩により皮膜ができ、高い防錆力を発揮します。ただし、クロム酸塩には、環境規制対応物質の6価クロムが含まれるため、現在は3価クロメートが主流になっています。


クロメート処理の自己修復機能

一般的な亜鉛めっきは、(1)亜鉛皮膜、2)クロメート皮膜、2層構造で構成されています。

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①クロメート処理は、被めっき物を6価クロム溶液に浸漬して、クロメート皮膜を形成することをいいます。6価クロムは自己修復機能を有しており、亜鉛めっきの耐食性を向上させます。近年は、6価クロムは、環境規制物質であり3価クロム化成処理の方法が普及しています。3価クロメート皮膜は、自己修復機能がないと言われており、耐食性は一般的には6価クロメートに劣るとされてきましたが、近年の技術進歩により同等以上の耐食性を有するようになってきています。

 

 

亜鉛めっきについて

鉄を腐食から守ります。

①亜鉛は鉄よりもイオン化傾向が大きく腐食しやすい。

②亜鉛は部品表面と化学的に結合し、「犠牲皮膜」として機能します。

 <イオン化傾向>

イオン化すると金属原子は、電子を放出して陽イオンになります。鉄よりイオン化傾向の大きい亜鉛がイオンとなって溶け出し、錆の発生を防ぐことができます。まず、亜鉛に白錆が発生します。白錆が発生するまでの時間は、化成皮膜の強さによります。白錆が、鋼板に達すると赤錆が発生します。


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亜鉛めっきクロメート耐食性について


防食(防さび)性能は、塩水噴霧試験(SST)によるさび発生時間(H)で表示しています。各処理液、色、メーカーにより耐食性はことなりますが、参考としては以下になります。


6価クロメート 白錆96H 赤錆480H

3価クロメート 白錆96H 赤錆240H

*膜厚8μm

クロメート、3価クロム化成処理ともめっき種によって耐食性が異なります。処理条件が同一な場合:ジンケート浴 > 塩化浴 > シアン浴の順で耐食性が良好になります。

亜鉛めっきクロメート処理の工程

 基本的には、工程は①製品を亜鉛めっきする。②薄い硝酸に浸漬して光沢を出す。③クロメート処理をする。となります。

 

【亜鉛メッキの工程】

1) 脱脂 

    ⬇︎ 水洗い 

2) 酸洗い 

      ⬇︎ 水洗い 

3) 亜鉛めっき

      ⬇︎ 水洗い 

4) 硝酸浸漬

      ⬇︎ 水洗い 

5) クロメート処理

      ⬇︎ 水洗い 

6) 乾燥

      ⬇︎ 

7) 検査

    

 【脱脂/酸洗】

めっきをする前に、下地の表面を徹底的にきれいにすることが重要です。表面にゴミや汚れが残っていると、亜鉛めっきの適切な付着を妨げることになります。一般的には、アルカリ性の洗剤溶液を使用して表面を洗浄し、その後、酸処理を施して表面の錆を除去します。後者の手順は酸洗と呼ばれています。めっき不良の不具合の8割は、前処理になります。ゴミの付着等をよく洗う必要があります。

また、酸洗いでは、酸濃度が濃いほど、また、処理時間が長いほど水素吸収量が多くなります。水素脆性破壊につながりますので、しっかりとした条件設定で管理することが重要になります。 

 

 【亜鉛めっき】

亜鉛めっき液に、被めっき品を浸漬します。めっき溶液中でマイナス側にめっきされるものを、プラス側にめっき金属をつないで外部から直流電流を流し、めっき溶液中でイオン化されたプラスの金属イオンが、マイナス側のめっきされるものの表面でマイナスの電子と結びついて、金属として析出していきます。これが繰り返されて、表面を覆うめっき皮膜ができます。めっき液は、良質なめっき皮膜が高速で得られるよう各種金属に適した構成になっています。


一般的に浴温度は25±10℃、浸漬時間は20~30分の範囲で行いますが、材質や仕様規格等により、設定条件を変えています。

 

【ラック、吊るし】

被めっき品はラックに入れたり、ハンガーで吊るしたりします。

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【バレル】

ボルト、ナット、小物プレス部品はバレルにいれ回転させながらめっきします。一度に大量の部品をめっきすることができます。

 

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【硝酸浸漬】

亜鉛めっき後に、付いた薄い酸化皮膜などを除去すると共に、亜鉛メッキ表面をわずかに溶解してより新鮮な表面を得てクロメート処理の密着性を向上させます。

【クロメート処理】

クロム酸を主成分とする水溶液に浸漬させ、表面にクロム酸化合物の薄い皮膜を形成させます。めっき液主成分の濃度管理が重要になります。亜鉛を少し溶かして皮膜をつくることから液のpHや温度管理も重要です。

【乾燥】

乾燥工程では乾燥の良し悪しによって、シミが発生したり、クロメートの色調、外観などに影響を与えます。一般的には、熱風乾燥、遠心乾燥、エアブロー乾燥などがあります。

【検査】

シミや、フクレ、こげ等の外観検査をし、必要に応じて膜厚検査を行います。また、不良品は、再度酸洗い工程からはじめ、メッキを付け直します。

めっき浴の特徴と使用用途

亜鉛めっき浴の特徴
  主な特徴と利点 用途例
酸性浴 電流効率が良好。めっき中に水素脆性がおきにくい 熱処理品・ボルト・ナット 類鉄鋳物
ジンケート浴 シアン浴からCN-を除いたアルカリ浴で、均一電着性に優れる プレス品、ボルト・ナット類
シアン浴 2次加工性が良好 均一電着性に優れる プレス小物,複雑な形状のもの

 

めっき厚について

鉄素地に直接めっきされる亜鉛皮膜は、JIS規格で、膜厚規格が設けられています。めっき膜厚は、顧客要求により5~12μm程度できまります。亜鉛めっきの膜厚が薄すぎると亜鉛めっきの犠牲防食機能がはたらきません。3μm未満ですと実力が十分にはっきできず、すぐに赤錆が発生しますので注意が必要です。発展途上国のめっきは、膜厚が薄くすぐ錆びることがありますので、サプライヤー選定時には注意が必要です。

 

亜鉛めっきは、電気を流すことで皮膜が生成され、この電気的性質から電気の流れやすいところや、製品の端部分が膜厚が厚くなる傾向があります。

逆に凹箇所や電気的に陰になるような箇所は、めっきが薄くなる傾向があります。

亜鉛皮膜は、亜鉛自体が腐食することで、素材の鉄の錆び(赤錆)の発生を防止する働きが有

ります。亜鉛皮膜が錆びると、俗に「白錆び」が生じます。この白錆びを防止するために、亜鉛めっきの上からクロメート処理がされます。 

 

 

ユニクロメッキとの違いについて

ユニクロめっきとは、電気亜鉛メッキされた材料に対してフッ化物を含んだ溶液でクロメート処理したもの。「光沢クロメート」とも呼ばれています。六価クロムの含有率が希少なため耐食性はクロメートより劣ります。

Tool mania 異径高ナット 鉄 ユニクロメッキ 3/8X1/2X40 10個

【ユニクロめっき】

クロメート処理は、亜鉛・アルミ・マグネシウムなどに対して六価のクロム酸を主とした処理液で表面処理することを言います。以下は、有色クロメート処理をした板金部品になります。

アイリスオーヤマ ボード用 金具 L字キャップ 2個 Z-18LC

【有色クロメート】

 

 種類:6価クロメート:①ユニクロ ②有色クロメート(ゴールド)③クロ

     3価クロメート:①白 ②クロ

 

環境対応(RoHs 規制) 

従来クロメート被膜には、6価クロムを含む事から有害性が認められ、RoHS規制やELV指令の対象とされています。よって、EU等で、6価クロムが含まれるものは販売できません。
外で放置される自動車部品に酸性雨があたり、6価クロムが溶出し、土壌汚染が問題になります。

自動車業界や、家電業界の大半で、グリーン調達推進のため、6価クロメートの購入を禁止しています。6価クロメートの代替えとして、現在3価クロメート(白)(黒)が主流です。

 

クロメート処理の記号 JIS H 8610

JIS H8610
メッキの種類 等級     メッキ最小厚さ (μm) 記号
1種A 1級 2 Ep-Fe/Zn 2 又はEp-Fe/Zn 〔1〕
2級 5 Ep-Fe/Zn 5 又はEp-Fe/Zn 〔2〕
3級 8 Ep-Fe/Zn 8 又はEp-Fe/Zn 〔3〕
4級 13 Ep-Fe/Zn 13 又はEp-Fe/Zn 〔4〕
5級 20 Ep-Fe/Zn 20 又はEp-Fe/Zn 〔5〕
6級 25 Ep-Fe/Zn 25 又はEp-Fe/Zn 〔6〕
1種B 1級 2 Ep-Fe/Zn 2/CM 1 又はEp-Fe/Zn 〔1-C 1〕
2級 5 Ep-Fe/Zn 5/CM 1 又はEp-Fe/Zn 〔2-C 1〕
3級 8 Ep-Fe/Zn 8/CM 1 又はEp-Fe/Zn 〔3-C 1〕
4級 13 p-Fe/Zn 13/CM 1 又はEp-Fe/Zn 〔4-C 1〕
5級 20 Ep-Fe/Zn 20/CM 1 又はEp-Fe/Zn 〔5-C 1〕
6級 25 Ep-Fe/Zn 25/CM 1 又はEp-Fe/Zn 〔6-C 1〕
2種 1級 2 Ep-Fe/Zn 2/CM 2 又はEp-Fe/Zn 〔1-C 2〕
2級 5 Ep-Fe/Zn 5/CM 2 又はEp-Fe/Zn 〔2-C 2〕
3級 8 Ep-Fe/Zn 8/CM 2 又はEp-Fe/Zn 〔3-C 2〕
4級 13 Ep-Fe/Zn 13/CM 2 又はEp-Fe/Zn 〔4-C 2〕
5級 20 Ep-Fe/Zn 20/CM 2 又はEp-Fe/Zn 〔5-C 2〕
6級 25 Ep-Fe/Zn 25/CM 2 又はEp-Fe/Zn 〔6-C 2〕
備考
  1. 1種Aは、メッキのまま及び硝酸浸せきしたもの。色 - 銀色
  2. 1種Bは、光沢クロメート処理を行ったもの。
  3. 色 - 銀色 「ユニクロめっき」と呼ばれている。
  4. 2種は、有色クロメート処理を行ったもの。
  5. 色 - 金(虹)色 「ジンクロめっき」と呼ばれている。
  6. メッキ最小厚さは、クロメート皮膜を含まないものの厚さ
    3価・6価を識別するJIS記号はありません。

 

 

クロメート処理液変更時の注意点

 薬液、めっき浴の種類により、めっき後の部品の摩擦係数が変わります。つまり、顧客の意図しないところで、めっき薬を変更するとボルト、ナットなどの摩擦係数が変わり、必要な締め付けトルクがでない場合があります。つまり、結果締結のゆるみが発生しますので、顧客がしっかり評価する前にめっき液の変更などはしてはいけません。また、一般的に6価よりも3価の方が摩擦係数が高い傾向にあります。

 
<使用したボルトの摩擦係数>
低すぎる場合 → 締めすぎ発生 → ボルトが折れる危険
高すぎる場合 → 締め付け不足 → ゆるむ危険
 
 

亜鉛めっきのプロセスの動画 

三和メッキ工業 YouTube

 

亜鉛めっきクロメートの英語表現

亜鉛めっき

Zinc plating

3価クロメート

Trivalent Chromate Plating

6価クロメート

Hexavalent chromate plating

ブラケットをめっきする

plate a bracket

化成皮膜

Chemical conversion film

電気めっき

Electroplating

corrosion/rust

錆びる

corrode

白錆

White rust

赤錆

Red rust

密着性

adhesion

ferrous metals

 


まとめ

亜鉛は現在、世界で4番目に多く消費されている金属です。生産される亜鉛の半分近くは、鉄や鉄を錆びから守るための亜鉛めっき工程で使用されています。亜鉛めっきクロメートは、家電、自動車、建材の板金、鋲螺類に多く使用される表面処理になりますので、最も身近な表面処理の一つです。