皆さんコンカレントエンジニアリング(CE)ってご存知でしょうか。商品企画から、設計、生産準備、量産に携わっていないとあまり馴染みがない言葉かと思います。コンカレントエンジニアリング(Concurrent Engineering)は、組織で働く様々な部署の人たちが、新しい商品や、サービスを開発するために、様々なステージを考慮しながら、並行して開発するという手法です。
マーケットでは、顧客のニーズの変化や多様性にともない、いち早く新しい商品を市場に投入しなければ、販売機会を逸してしまいます。つまり、いちはやく新商品を開発できる企業は、市場での優位性が高まります。
電子部品、スマートフォン、テレビなどは特に、市場競争により市場投入後の価格低下が著しく、競争力を維持するためには、適切なタイミングで市場に投入する必要性があります。コンカレントエンジアリングとは、そういった商品開発で開発リードタイムを短縮するために、重要になる開発手法です。
コンカレントエンジニアリングとは?
下記が、イメージ図になります。商品企画、構想設計など順々に工程をつなぐのではなく、各工程をラップさせて、同時に並行して開発し、立ち上げ時間を短縮するという手法です。
コンカレントエンジニアリングをどのように推進するか?
各部署からのエキスパートが集結し、共同で開発を進める必要があります。商品企画に、設計者が参加し、詳細設計に入る前に生産性も考慮した設計になるよう生産技術者、調達、サプライーも開発上流工程に参画します。
「図面がでてから呼んでくれ!」というスタンスの製造、調達、サプライヤーは、CE活動には不要です。
例えば、調達は、QCD目標を達成するために、サプライヤーの工程や技術レベルを熟知して、設計図面に反映させるが重要になります。
プロジェクトの推進方法
プロジェクトを成功させるには、チームワーク、マイルストーンマネジメント、ターゲット設定、フォローアップが重要です。各開発プロセスが、適切に進んでいるかをマネジメントが管理できるように、マイルストーンをもうけ、人による判断のばらつき防止のため、判断基準を前もってしっかりきめる必要があります。
CEの派生メリット
CEの場は、普段の業務においては、商品企画や、設計段階に深くかかわりのない部門が参画し、今後、市場に求められるものを理解することで、将来必要となる技術が何なのかを理解し、技術力をアップさせる方向性を正しく理解することができます。
たとえば、こうした打ち合わせの場にサプリヤーも参画することで、彼らが製造する製品がどのような部位で使われ、どのような使われ方をするかを理解することで、製品を製造する上での品質要確認ポイントを前もって理解し、製造工程に織り込むことができます。
CEは、1990年に日本でも使われ始めた言葉ですが、今現在においても、様々な企業で重要視される開発手法の一つです。